新電力への切り替えで『Looopでんき』を提案された、おすすめとして出てきたけど本当に電気料金が安くなるのか分からない、実際どれだけ節約できるのか気になりますよね。
この記事では『Looopでんき』へ切替えるとどんな電気料金になるのか、どんな人におすすめか?について解説していきますのでぜひ参考にしてみてください。
Looopでんきに切替えるとメリットはあるのかな?解説していきますのでぜひ参考にしてみてね
【結論】Looopでんきがおすすめのユーザー
結論からいうと『Looopでんき』がおすすめのユーザーは次のような人です。
・ほとんど家にいない人
・夜勤などで夜は家におらず平日の日中に家にいる人
・電気をほとんど使用しないミニマリストの人
『Looopでんき』は電気使用量が少ない人や平日の日中に家にいて電気を使用する人に向いています。逆に平日の日中に会社で働いて夜帰宅して電気を使用する一般的な会社員、家にいる時間が多い在宅勤務の人や個人事業主などは電気料金が高くなってしまう可能性があるため注意が必要です。
その理由について次から解説していきます。
『Looopでんき』とは
『Looopでんき』は東日本大震災の被災地に太陽光発電を設置するボランティア活動から誕生した会社です。
Looopでんきが提供する電力プランは「スマートタイムONE」1種類のみ。日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格と連動する市場連動型プランを採用しています。
市場連動型プランは30分ごとに電力量料金単価が変動し電気の受領が多くなれば金額が上がり、少なくなれば下がるため安い時間帯に家電製品を使用すれば電気代を節約することができます。
Looopでんきの電気料金算出方法
Looopでんきは市場連動型プランを採用しており、東京電力のような一般配送事業者と電気料金の算出方法が異なります。
例として東京電力とLooopでんきの料金内訳を比較してみます。
東京電力の場合
Looopでんきの場合
従来の電力会社は分電盤のアンペア(A)数によって決まる基本料金に使用電力量に応じて決まる電力量料金、再エネ賦課金で電気料金が構成されています。
Looopでんきでは基本料金はかかりません。使用電力量に電力量料金は30毎に変動する市場価格をかけた電源料金に使用した電力量に応じて固定従量料金という料金が加わります。再エネ賦課金はLooopでんきの料金にも同じ価格が加わります。
固定従量料金とは電気を送る際に発生する「託送費」と「サービス料」になります。
「託送費」とは一般配送電事業者の送配電ネットワークを使用して電気を送る料金で、単価は電気の供給エリアによって決まります。
「サービス料」とはサービスを提供するための運営料金になります。
Looopでんきのメリット
Looop電気は次のようなメリットがあります。
基本料金が0円
一般的な電力会社はブレーカーのアンペア数(A)によって毎月固定で基本料金が請求されます。Looopでんきは基本料金が0円のため、電気を使用しなければそれだけ電気代を節約することができます。
例えば会社員で出張が多く家を空けることが多い人であれば、使用した電力量のみの請求なので基本料金0円のメリットがとても大きいです。
参考までに各電力会社の基本料金は次のとおりです。
契約アンペア数 | 10A | 15A | 20A | 30A | 40A | 50A | 60A |
北海道電力 | 402.6 | 603.9 | 805.2 | 1,207.8 | 1,610.4 | 2,013.0 | 2,415.6 |
東北電力 | 369.6 | 554.4 | 739.2 | 1,108.8 | 1,478.4 | 1,848.0 | 2,217.6 |
東京電力 | 311.75 | 467.63 | 623.5 | 935.25 | 1,247.0 | 1,558.75 | 1,870.5 |
中部電力 | 321.14 | 481.71 | 642.28 | 963.42 | 1,284.56 | 1,605.7 | 1,926.84 |
北陸電力 | 302.5 | 453.75 | 605.0 | 907.5 | 1,210.0 | 1,512.5 | 1,815.0 |
九州電力 | 316.24 | 474.36 | 632.48 | 948.72 | 1,264.96 | 1,581.2 | 1,897.44 |
市場価格が安くなると電気料金が安くなる
Looop電気は市場連動型プランを採用しているため、市場価格が下がれば電力量料金単価もやすくなります。
逆に市場価格が上がると電力料金単価も高くなります。
市場価格の推移をみてみると、平日の日中(9:00~15:00頃)や深夜の時間帯(21:00~翌日8:00頃)は電力需要が減るため電力量料金単価が下がっています。この時間帯に電気を使用すると電気代の節約になります。
例えば夜勤の仕事で夜は仕事で外出し日中は家にいる人であれば、電力量料金単価が下がっている時間帯に電気を使用できるのでメリットが大きいです。
スマホアプリの機能が充実している
Looopでんきはスマホアプリの機能が充実しています。スマホアプリでは電力量料金単価が高くなる時間帯を確認できたり料金が上がる時間帯になるとプッシュ通知を受け取れたりと、アプリを活用することで電気を効率的に使えます。
解約金がない
Looopでんきの契約期間は1年で、1年毎に契約が自動更新されます。
しかし、市場連動型プランが合わないという理由から解約したとしても解約金はかかりません。契約期間内に中途解約しても違約金なども一切かかりませんので安心ですね。
その他
Looopでんきには東京電力エリアと東京ガスの都市ガス供給エリア限定で、「Looopでんき+ガス」のセットプラン割があったり、環境にやさしいオプションとして「eneco」という追加オプションがあります。
Looopでんきのデメリット
Looopでんきは次のようなデメリットがあります。
しかし、デメリットを受け入れたうえで上手に電気を使うことで電気料金を節約できますのでみていきましょう。
市場価格が高騰すると電気料金が高くなる
Looopでんきは市場連動型プランを採用しているため、市場価格の影響で電気料金が高くなります。例えば2020年12月下旬から2021年1月にかけて市場価格が通常の単価の約6倍近くも高騰したことがありました。
当時の1日平均単価の最高額が26.2円/kWhに対し、最高154.6円/kWhを記録しています。
市場価格の高騰した大きな原因は電力ひっ迫です。当時は寒波による電力需要の増加・LNG(液化天然ガス)の在庫減少・供給の制限という影響が重なったため、電力の「売り切れ」が発生する事態に。結果として市場単価の高騰につながりました。
ポイントのような特典がない
新電力会社を選ぶ理由として、電気代の支払いによってポイントやマイルが貯まったりガソリン代が割引になるなどの特典を用意しているところがあります。
Looopでんきにはそういった特典がないため、サービス内容に物足りなさを感じる人もいるかもしれません。
オール電化住宅には不向き
電気の使用量が多くなるオール電化の住宅は電気代が高くなってしまう可能性があります。電力使用状況をよく考えてシュミレーションを行い、割高になるようであればオール電化向けのプランを提供している電力会社を選んだほうがよいでしょう。
支払い方法はクレジットカードのみ
Looopでんきの支払い方法はクレジットカード(Visa、Mastercard、American Express、Diners Club、JCBカード)決済のみです。
普段は口座振替や振込用紙、スマホ決済などで支払をしている人は不便に感じるかもしれません。
Looopでんきへ切替えたときの電気料金シュミレーション例
実際にLooopでんきに切替えるとどんな電気料金になるのか、東京電力とLooopでんきのプランを比較してみました。
あくまで筆者が想定してシュミレーションした結果なので参考としてみてください。
Looopでんきの方が高くなる例
東京電力とLooopでんきの電気料金をシュミレーションして比較していきます。
シュミレーションの想定は次のとおりです。
・一人暮らし
・一般的なサラリーマン:朝8:00出社~19時帰宅、土日祝は休日
・東京電力の契約アンペア:30A
・1ヶ月は平均をとって平日21日・休日9日
・電気料金の単価は2024年7月時点のもの
・再エネ賦課金・燃料調整費の料金は除外
1ヶ月の電気使用量は一人暮らしの平均200kWhを採用してみました。すると電気料金は次のような結果となりました。
◯Looopでんきの場合
電気料金=(電気使用料金:5,271円)+(固定従量料金:3,056円)=8,327円
◯東京電力の場合
電気料金=(基本料金:935.25円)+(電気使用料金:6,488円)=7,423円
一人暮らしの平均は170kWh~200kWhなので170kWhまで電気の使用量を下げても結果は東京電力の方が安くなりました。つまり、電気料金が上がる夜に電気使用量が多い一般的なサラリーマンはLooopでんきは不向きのようです。
しかし、Looopでんきは市場連動型のプランを採用しているため市場価格が安くなったり、逆に東京電力の料金が高くなった場合は逆転する可能性もあります。
Looopでんきの方が安くなる例
前出では東京電力の方が安くなりました。次にLooopでんきが安くなるシュミレーションをしていきます。
シュミレーションの想定は次のようにしました。
・一人暮らしでほとんど家にいない、電気の使用量が少ない人
・東京電力の契約アンペア:30A
・1ヶ月は平均をとって平日21日・休日9日
・電気料金の単価は2024年7月時点のもの
・再エネ賦課金・燃料調整費の料金は除外
電気使用量を冷蔵庫やテレビなどの待機電力がほとんどの場合は1時間あたり100Whになると想定すると1ヶ月の電気使用量は70kWhになります。すると電気料金は次のような結果となりました。
◯Looopでんきの場合
電気料金=(電気使用料金:1,845円)+(固定従量料金:1,070円)=2,915円
◯東京電力の場合
電気料金=(基本料金:935.25円)+(電気使用料金:2、086円)=3,021円
このシミュレーションではLooop電気のほうが安くなりました。Looopでんきは平均よりも電気使用量が少ない人にとってメリットがある結果となりました。
また、市場価格が安くなればさらに電気料金のメリットが出る可能性もあります。
まとめ
Looopでんきの特長やメリット・デメリットについて解説してきました。あらためて簡単にまとめていきます。
Looopでんきがおすすめのユーザー
・ほとんど家にいない人
・夜勤などで夜は家におらず平日の日中に家にいる人
・電気をほとんど使用しないミニマリストの人
Looopでんきのメリット
Looopでんきのデメリット
Looopでんきは上手に電気を使用すれば電気料金を節約できる新電力です。電気の使い方に合いそうだと感じたらぜひ切替を検討してみてください。