ポータブル電源に使われている「リン酸鉄リチウムイオン」ってなに?
そんな疑問をもったことはないでしょうか?この記事では「リン酸鉄リチウムイオン」について解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
ポータブル電源のリン酸鉄リチウムイオンってなんだろう?解説していくのでぜひ参考にしてみてね!
リン酸鉄リチウムイオンとは
ポータブル電源に使用されている「リン酸鉄リチウムイオン」バッテリーとはリチウム(Li)・鉄(Fe)・リン(P)を主な材料として作られたバッテリーです。
モバイルバッテリーで多く使用されている「リチウムイオン」はコバルト・ニッケル・マンガンといった「レアメタル」と呼ばれる材料が使用されています。
それに対して「リン酸鉄リチウムイオン」は手に入りやすい原材料で作られているため、原材料価格が安いことが特徴です。
充電・放電の仕組み
「リン酸鉄リチウムイオン」バッテリーの仕組みは「リチウムイオン」バッテリーと違いはなく、リチウムイオンが電解液の中で正極・負極の間を移動する際に発生する電流を用いる仕組みです。
違いとしては「リチウムイオン」では正極材にコバルト・ニッケル・コバルトが用いられているのに対し、「リン酸鉄リチウムイン」ではその名の通りリン酸鉄リチウムが用いられています。
メリット
「リン酸鉄リチウムイオン」バッテリーがポータブル電源で使用されているのは次のメリットがあるためです。
寿命が長い
バッテリーの寿命は「サイクル回数(フル充電して繰り返し使える回数)」で表されるのですがリチウムイオンバッテリーと比較すると「リン酸鉄リチウムイオン」バッテリーの方が寿命が長いというメリットがあります。
サイクル回数 | |
リン酸鉄リチウムイオン | 2,000~4,000回 |
リチウムイオンバッテリー | 500~2,000回 |
自己放電率が低い
「自己放電率」とは放置していると勝手に放電してしまう電力量の割合を示しています。「リン酸鉄リチウムイオン」は自己放電率が低く長期間放置していても電力が減りづらいのが特徴です。
安全性が高い
従来の「リチウムイオン」バッテリーで使用されているコバルト・ニッケル・マンガンは220℃以上で熱分解といわれる分解反応が起きてしまうため、極端な高温環境や想定外の長時間利用は推奨されていません。
それに対し「リン酸鉄リチウムイオン」バッテリーで用いられているリン酸は600℃まで熱分解がおきないため高温環境でも安全性が高く動作することが強みです。
耐熱性が高い
従来の「リチウムイオン」バッテリーは氷点下-10℃までの保存が限界でしたが、「リン酸鉄リチウムイオン」バッテリーは-20℃の低温環境でも保存することができます。
高温環境では熱分解が起きる温度が「リチウムイオン」は220℃に対して「リン酸鉄リチウムイオン」は600℃のため耐熱性が高いという特徴があります。
デメリット
「リン酸鉄リチウムイオン」バッテリーはメリットだけではなくデメリットも存在します。
エネルギー密度が低いためサイズが大きくなる
「リン酸鉄リチウムイオン」バッテリーはエネルギー密度が低いため容量あたりの体積が大きくなるというデメリットがあります。
そのため、最終的な製品サイズも大きくなってしまうのが特徴です。
製品価格が高い
「リン酸鉄リチウムイオン」は原材料は手に入りやすい材料が使われているため原材料価格は安いですが、バッテリー化の工程に大きなコストがかかってしまうため最終的な製品価格が高くなってしまう特長があります。
バッテリー化の工程でコストがかかってしまう要因として「特許料」があります。リン酸鉄リチウムイオンの基本撤去をアメリカのテキサス大学が有しており、さらに製造の過程でカーボンコーティングする工程の特許はあるカナダ人が持っています。
製造のための安くない特許料が最終的な製品価格を押し上げてしまう要因となるのがデメリットです。
まとめ
ポータブル電源につかわれている「リン酸鉄リチウムイオン」バッテリーについて解説してきました。簡単にまとめていきます。
・リン酸鉄リチウムイオンとはリチウム(Li)・鉄(Fe)・リン(P)を主な材料として作られたバッテリー
ポータブル電源に使われている「リン酸鉄リチウムイオン」バッテリーの解説でした。
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